12:名無しNIPPER[saga]
2017/07/21(金) 18:57:08.73 ID:+NyjqKO10
『絵里へ
お返事ありがとうございます。一月ほど経ったでしょうか。もう来ないかと思っていました。
日本にいるとのこと、嬉しく思います。これからは返事も早くもらえますね。
会いに行けない自分の不甲斐なさが情けありません。
未来の名医……真姫ですね。
彼女の言うことなら信頼できそうです。
これからもお返事をいただければ幸いです。
手紙を待つ間、あの日について毎日考えていました。
やはり、私は先頭を2人で歩いていたような気がします。
穂乃果の水については心当たりがあります。
あの日、暑くなるとの予報を見た私は、食事と一緒に水を余分に詰めていたのです。
穂乃果がすぐに水筒を空けてしまうことはわかっていましたからね。
それを渡してあったのだったと思います。
これでも十年以上の付き合いなのですよ。
あの日のことをずっと考えていたので、少し別のことも思い出してきました。
どうして3年後の今になって、こんなに思い出すのでしょうか。
絵里たちはあの日、最後尾を歩いていましたね。
時折、道が合っているか確認してくれていました。
やはり3年生は頼りになります。
こうして絵里が手紙読んでくれていることだって、どれだけ私の救いになっているか。
だからこそ、怖く思うのです。
私はなぜ、こんなに怯えて暮らしているのでしょうか。
栞を見るたびに、自分で自分の目を潰してしまいたくなるのはなぜでしょうか。
私は何をしてしまったのでしょうか。
絵里、こうしてやり取りすることで、私は貴女との関係も壊してしまうのでしょうか。
私は、怖いのです。
10月 16日
海未より』
76Res/84.36 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20