41: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/07/27(木) 01:04:01.15 ID:M907inimO
「不思議に思う…?」
「うん、『何でこの人は、私をトクベツにしたがるんだろう』って」
「…トクベツに…したがる?」
「そうなの。皆ね、志希ちゃんのことを宇宙人を見るみたいな眼で見てくるんだよね〜」
「……それは…」
泉は最初、皮肉を言われているのかと思った。志希の言っていることに、あまりにも心当たりがありすぎて。
しかし、いつもの不敵な笑顔の奥に、どこか寂しさを感じさせる声色で志希は続ける。
「私は、自分のことは特別だなんて思ってなかったんだ。なのに気付いたら私は周りの人たちによって『天才』にされちゃってた」
「志希さん…」
「寂しかったけど、すぐ慣れちゃった。ほら、志希ちゃん天才らしいから作りたいものは何でも作れちゃうしね〜」
志希は誤魔化すように笑った。
誤魔化すように笑っていることが、泉にも理解出来てしまった。
「でもね、今は寂しくもないんだ」
51Res/29.25 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20