【モバマス】大石泉は天才が嫌いだった
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15: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/07/21(金) 01:33:35.03 ID:Vug6c5l3O
エレベーターが降りて行くにつれて、呼応するように泉の気持ちも重くなっていった。
ここ2週間で、エレベーターで下に向かうと言う行為に苦手意識を持ち始めた泉は、事務所から自宅に帰る際は階段を下る程になっていた。

エレベーターを使うと、ここに行かなければならない気がしてきて。
泉は、返事が返って来ないと分かっていてもその扉をノックした。答えはやはり沈黙。
今日は何故かその事に苛ついて、すぐさま扉を少しだけ乱暴に開いた。

「泉か?」
「……そうだけど」

部屋の主は、いつも通り扉に背を向けて部屋の真ん中で何かを弄っている。こちらには、目もくれない。

「焦っていたようだが、何か急ぎの用事か?」
「…急ぎなんかじゃないけど、これ」
「これって?」

晶葉は、背を向けたまま聞く。

「……今度のドリフェスの資料、見れば分かるでしょ」
「そうか、その辺に適当に置いといてくれ」

晶葉は、目もくれずそう答えた。






泉は、我慢の限界を迎えた。




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