248: ◆vfNQkIbfW2[saga]
2017/07/28(金) 14:08:38.55 ID:DfiwsRrFO
〜奥州・平泉〜
霊長の殺戮者「おにーちゃーん! こっちこっち〜! とっても金ピカな建物があるよ〜!」
底野「おお、すぐ参ろうぞ!」
あれから半月、山伏に扮し追っ手を免れ、やっと平泉に辿り着いたのでござる。白髪と紅眼は実に目立つ。それ故、拙者は市女笠をかぶり女性のフリまでして関所を突破した。
底野「衣装を用意してくれた弁太郎には、感謝してもしきれないでござるよ……」
ベートーベン(変装)「ようやく、ここまで来たね」
底野「もう少しで、長い旅路が終わるのでござるなぁ」
ベートーベン(変装)「いいや、平泉に着いてからが要なんだよ。今、平泉の実権を握っているのは誰か知ってるか?」
底野「藤原泰衡でござろう?」
ベートーベン(変装)「つまりそういうことさ」
底野「は?」
ベートーベン(変装)「いつ戦になっても良いように、刀の手入れは忘れるなよ。僕はそこまで面倒見れないからね」
底野「戦? あの男、一体何が言いたいのだろう」
霊長の殺戮者「おにーちゃーん! まだ来ないのー?」
底野「す、すまぬ!」
平泉への亡命が拙者と霊長の殺戮者を永久に引き離すことになるなど、その時は予想だにもしていなかったのでござる。
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