180: ◆vfNQkIbfW2[saga]
2017/07/24(月) 23:29:01.30 ID:iQKTjuYY0
修道女「お互い、命があれば城の前で再会しましょう」
吟遊詩人「はいッ!」
修道女「最後に、ひとつだけ。ありがとうございます」
吟遊詩人「ん?」
修道女「私の料理を褒めてくださったのは詩人さんが初めてだったので」フフッ
吟遊詩人「はぁ……」
修道女と吟遊詩人は、いっせーのーせで同時に土嚢の部屋を飛び出した。
吟遊詩人に扮した修道女を見つけ、ぷにぷに君が目を爛々と煌めかせる。
男女を見分けられない辺り、ぷにぷに君の頭はそれほど良くないようだ。
ぷにぷに君「ウガアアア!!! ミツケタ!! ミツケタ!!! オス、ミツケタ!!!」
吟遊詩人「シスター、危ない!」
修道女「駆け続けて、止まらないで! 今のシスターはあなたなのですよ!」
吟遊詩人「は、はひッ!!!」ダダダ
吟遊詩人は脇目も振らず駆け続けた。
後ろでステンドグラスの割れる派手な音が響いても、決して振り返ることなく無我夢中で走り続けた。
途中、長いスカートを踏んづけて転んでしまったが、死の恐怖の前には擦り傷の痛みなど大したことではない。
そして気が付いた時、彼は修道院の外にいた。
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