167: ◆vfNQkIbfW2[saga]
2017/07/24(月) 16:44:06.53 ID:/klkWS9/O
〜その日の夕方・城下町〜
吟遊詩人「では、奏でます……」
いざ酒を飲もう 雷様よ
滅びゆく世界の輝きに 我が魂の輝きに
主の威光に 乾杯をしよう
その昔ぷにぷに君は言った
「俺の金返せ」と
攫われた麗しの姫は囁いた
「誰だお前」と
薔薇園の中央で蒼ざめた月を仰ぎ
今こそ歌わん 皇子の書き殴った厨二ノートの詩
町娘達「「「キャ〜! 良い声ね、惚れちゃうわ〜!!」」」
じじい「ハープを奏でる指さばきが、常人の域を超えておるな。素晴らしい詩を聞かせてもらったよ」
チャリンチャリン!
四方から一斉に金貨が投げ込まれる。
どういうわけかトマトも投げられたが、吟遊詩人は優れた動体視力と柔らかい身体で回避した。
吟遊詩人「皆様、ありがとうございます。トゥルバドゥールの演奏会はこれにてお開き。次回の演目は未定でございます」
牛みたいな町娘「えー! 楽しみにしてたのにー! でも楽しませてもらったから、御礼にミルクとパンをあげるわ」
吟遊詩人(泥だらけの手でパンを差し出さないでくれよ、汚ったないなぁ)
吟遊詩人「ありがとうございます。神が貴女に恵みの吐息を吹きかけてくださいますように」
牛みたいな町娘「あらやだ……///」
吟遊詩人「さてと、今宵はどこで泊まろうか。そうだ、無料で泊まれる修道院が町の外れにあったな……。そこへ行こう」
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