44:名無しNIPPER
2017/07/18(火) 00:16:47.93 ID:le967cjA0
カロリー(主に脂肪分)の制限期間を脱し、まとまったイベントもこなして、
椎名法子は晴れて、自由にドーナツを食べられる生活へ帰還した。
祝宴を開くべきだ。
45:名無しNIPPER
2017/07/18(火) 00:17:17.88 ID:le967cjA0
法子がミスドのドアを開いたとき、ふわあっと、
心地よいバターミルクの香りがした。
おかえり。そんな風に、むかえてくれるようだった。
46:名無しNIPPER
2017/07/18(火) 00:17:49.32 ID:le967cjA0
ドーナツは人々を魅了し、時には地獄沼に落とすことさえある。
しかしそれが分かっていても、抗えぬのがまたドーナツ。
その沼のもっとも深いところにいる法子は、
47:名無しNIPPER
2017/07/18(火) 00:18:22.76 ID:le967cjA0
とはいえ、いきなりあれを食べてしまうと
次のドーナツに響く。
太陽の煌めきが星々を見えなくさせてしまうように。
48:名無しNIPPER
2017/07/18(火) 00:19:11.40 ID:le967cjA0
もたれたなくて、ぱっと華やかな…。
うんうん悩んでいると、ようやくドーナツを取れるようになった。
法子の目に前に颯爽と現れたのは、
49:名無しNIPPER
2017/07/18(火) 00:19:38.32 ID:le967cjA0
店外から見えない、一番奥まった席を取る。
そして、宴の主役(法子ではない)、
そのトップバッターを熱っぽい目で見つめた。
50:名無しNIPPER
2017/07/18(火) 00:20:37.05 ID:le967cjA0
法子はもちもちの球体を1つちぎって、口に運んだ。
大袈裟でない、奥ゆかしい甘み。
噛んだときの心地よいハリ。
51:名無しNIPPER
2017/07/18(火) 00:21:08.18 ID:le967cjA0
それをぬぐって、今度は大きくドーナツを頬張る。
食感がより鮮明になって、脳にぴりぴりと電流が走る。
52:名無しNIPPER
2017/07/18(火) 00:21:42.99 ID:le967cjA0
アイドル活動は、とても楽しい。
ドーナツを我慢できるくらいには。
53:名無しNIPPER
2017/07/18(火) 00:22:08.42 ID:le967cjA0
けれども、やはり、
この瞬間に感じている幸福は何物にも変えがたい。
法子は万感の思いで、ポン・デ・黒糖を完食した。
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