60:名無しNIPPER[saga]
2017/07/15(土) 22:49:00.11 ID:55jPn/3I0
振り返った先には、今まで歩んできた道。
何も無かった大地に足跡を刻む。そこには、眠っていた種子が宿っていた。
私は歩み、それを起こしただけ。
だけど、真っ白だった道には、色とりどりの華が咲いていました。
花の色は、思い出の色。出会ってきた人たちが残してくれた、私の心に残る色彩です。
足跡は無為に消えず、すれ違った人たちは希望を重ねて『島村卯月』を見送り、送り出してくれました。
声が、聞こえました。
誰の声かは、分からない。だけれど、意味は分かります。
『島村卯月』の存在を信じる人の声と、その姿を求める声が、そこにありました。
「そうですね……私も……それを信じたい、です」
影法師は立ち上がると、『島村卯月』と並んで立つ。
「行きましょう、今の島村卯月さん」
「はい、『島村卯月』さん」
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