36:名無しNIPPER[sage saga]
2017/07/15(土) 21:16:29.45 ID:+eTeNEs7O
着ている服にせよ、携帯のマスコットにせよ、髪型にせよ、メイクにせよ。一般の大衆ウケからは外れているかもしれないが、それらは彼女が可愛いものを求めた結果だ。
アイドルなんて可愛らしいものの象徴に、なれる、ならないかと手を差し出されれば、それは掴みたくもなろう。
好きなようにするといい。子どものワガママぐらい笑って許す。大人だからな、と見栄を張った。
「アタシ、もーすぐ十八なんだけど……まだ子ども扱いされる系?」
自分からすれば、酒も飲めないような歳なら無条件に子どもだ。
そう言って笑い飛ばすと、つられたように彼女も笑った。
一口。喉を潤し、もう一度嚥下する。
「……アタシさ、あんま頭とか良くないっしょ? 力仕事は結構できるよになったと思ってるけど……そんなアタシでも、なれるんかな?」
アイドルに学校のお勉強なんていらないだろう。
「や、でもー……あ、ほら。クイズ番組とか?」
足りていない枠もいるんじゃないか。詳しくは知らないが。
「あ、そっか。……あ、いやそーじゃないない、学校のおべんきょとかじゃなくて……なんてーの? 元々の頭の良さ、みたいな」
地頭の良さか、と聞くと、
「それ!」
と彼女は指を差した。
そこは問題ないだろう。口から反射的に漏れた。
彼女が仕事を覚えるのに苦労していた記憶はないし、会話していて拙いなと思ったこともない。
問題があるほど悪いということはない。ハンコを押したっていい。
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