19:名無しNIPPER[sage saga]
2017/07/15(土) 20:45:36.76 ID:+eTeNEs7O
彼女の出身もこのあたりだったはずだ。
毎年行われるそれを見飽きたりしないのか、と尋ねた。
「んー、まぁ毎年だいたいおんなじだけど、アタシ的には見ときたいかなー。これ系のイベントってさ、いつ終わっちゃうかとかわかんないらしいし。来年はもーしません、とかもありえってぃかもじゃん?」
もしもそうなったなら、来年の今頃、自分は今日見に行かなかったことを後悔するんだろうか。
対面から向かってくる自家用車を歩行者に気を配りながら左折させ、漠然と考えた。
ひょっとしたら身を焦がすぐらいに悔やむかもしれないし、もしかしたら面倒な人混みの原因がなくなったことを喜ぶかもしれない。
自分としては後者になる可能性が高そうだと茶化してみた。
「でもさ、後悔するかもって気持ちもあるんしょ? だったら一応でも見といた方がいーじゃん。『迷ったらとりあえずやっとけ!』って名言があるぽよ☆」
一理はあるのかもしれないが、そんな名言はたぶんない。
集まっていく人の影は順調に増え続け、今いるところから目視で確認できる鑑賞に向いたポイントはおおよそ埋まった。歩道橋や道路上の、観るのに良い場所を地元民は知っている。
自分たちのいる方に来る人は少なかった。
粘り強い太陽は地平に沈んでしばらく経ち、辺りは薄暗さを徐々に濃くしている。
不意に、ひゅう、と遠く音が聞こえて、ぱんと弾けた光の玉が一瞬を照らした。少し遅れて、炸裂する爆音が轟く。
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