遊佐こずえ「たべてー......たべろー...」
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6: ◆E.Qec4bXLs[saga]
2017/07/15(土) 19:38:59.20 ID:Qba8K57W0
弁当箱の中の最後の桃を指先で摘んだ
大きな悲鳴のようなサイレンと共に救急車と担架が来た
果汁が小さな指先を甘く彩る
桃を歯と舌で味わうには周りは騒がしい
だから目で楽しむことにした
白い服の大人が、中庭でただ一人静かな男児を担架に乗せた
昼寝をしているかのように動かない
指先から手のひらへ滴った雫が太ももに落ちる
透明な甘露が彼女の白い丘を滑り降り、ぬらぬらした轍を残して消えた
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