白菊ほたる「プロデューサーさんは呪われました」
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32: ◆eU2UNg43MI[saga]
2017/07/15(土) 21:13:58.80 ID:eRMrD4p40
「……楽しかったんです」
そう呟いたほたるの目には涙がたまっていた。
「プロデューサーさんとお仕事をするようになって、応援してくれるファンの人たちもできて、がんばったらトレーナーさんやスタッフの人たちもお疲れさまと言ってくれて、プロデューサーさんもほめてくれて。こんな私でも……あのとき見たアイドルみたいに、誰かを幸せにできるんじゃないかって」
けれど、自分には泣く資格がないとでもいわんばかりに、涙をこぼすのを懸命に堪えていた。
「なのに……あの記者の人の言う通りでした。私どうしたらいいかわからなくて、謝ることしか思いつかなくて。なのに、また私のせいで……プロデューサーさんにまた迷惑かけてしまって」
それでも声の震えはひどくなっていって、
「嫌だったんです。こんな私を支えてくれた……プロデューサーさんにまで、嫌われるのが……怖かったんです」
そしてついに、
「ごめ……んなさい。ごめんなさい。こんなことになってごめんなさい。アイドルになりたいなんて思って……ごめんなさい」
大粒の滴が溢れだし、彼女の頬を濡らした。
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