白菊ほたる「プロデューサーさんは呪われました」
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3: ◆eU2UNg43MI[saga]
2017/07/15(土) 16:25:10.56 ID:eRMrD4p40

彼女との出会いは今から1カ月前に遡る。

白菊ほたる。

13歳にしてはやや高い背に、年相応に幼い顔つき。くるりと丸い大きな目とボブカットの髪型があどけなさを醸し出している。
一方、頼りなく揺れていてどことなく陰りも見える大きな瞳、所在なさそうに縮こまっている小さな姿。
喪服のように全身黒い服を着ているからかもしれないが、どことなく薄幸な雰囲気をまとっている。

いろいろな子と接してきたが、彼女はこれまで見たこともないタイプだ。



「私と一緒にいると不幸になります」



はじめて会ったとき、彼女は懺悔するかのように自分の不幸について静かに語りだした。


例えば、1歳のときに父親が会社でミスをしてクビになったこと。

例えば、運動会などで自分が入ったチームは一度も勝ったことがないこと。

例えば、この事務所に来るまでに所属していた事務所は、すべて倒産していること。


社長から渡されたプロフィールに書かれていたため事務所の件については知っていた。 彼女が芸能界に入ってまだ1年。その短い期間に起こった出来事としてはあまり異常なこ とであった。 『疫病神』 業界内において、彼女は悪い意味で有名になっていた。

社長がどういうつもりで彼女を迎え入れたのかはわからないが、俺からすればただいつものように仕事をこなすだけである。
だいたいこの年にもなって『疫病神』だのそんな風説にしたがう趣味があるわけでもない。


この子がなんであろうと、今まで通りの方法でプロデュースしていけばいい。



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