白菊ほたる「プロデューサーさんは呪われました」
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13: ◆eU2UNg43MI[saga]
2017/07/15(土) 17:15:48.56 ID:eRMrD4p40
「そういえば、なんであのとき植木鉢が降ってくるってわかったんだ?」
なぜ知っていたかのようにあのタイミングで、植木鉢落下を予測できたのか。その答えが気になってしかたなかった。
「ほんとになんとなくです。なんかありそうだな、って思って上を見たらほんとになにか落ちてきました」
超能力者じみたことを簡単に言うな。もしかしたら、不幸体験の経験値がたまって、危険察知スキルを身につけているのかもしれ ない。今後のためにそのスキルの習得法、教えてもらいたいものだ。
「ともかくほたるが無事でよかったよ。心臓が止まるかと思ったぞ。あまり無茶するのはや めてくれ」
「……すみません。私のせいで、あの人にもプロデューサーさんにもご迷惑をかけてしまって」
しゅんとした顔をする。ちょうどいい機会かもしれない。 前から思っていたことを言ってみる。
「そのすぐに「私のせいで」とか「すみません」って言うのは止めにしよう。プロデューサ ーとしては注意せざるを得ないけど、お前の行動は立派だったよ」
小さな形の良い頭をなでてやると、こそばゆそうに目を細める。
「ポジティブ思考だ。植木鉢が降ってきたのはお前のせいじゃない。むしろお前がいろいろ不幸な目に遭ってきたからこそ落ちてくることを察知できて、あの人は助かったんだと考えよう」
「ポジティブ思考……ですか」
「今回だけじゃない。なんかトラブルがあっても無理やりいい方に考えていくんだ。いつも辛気臭い顔をしていたら、それこそ不幸の方から寄ってくるぞ」
本やテレビから仕入れた話だが、俺が言うと途端に胡散臭く聞こえるのはなぜなのか。
ほたるは俺の顔をまじまじと見たあと、
「ふふっ」
口元に手をあてて笑った。
「な、なんだよ。人が真面目に話しているのに」
「すみませ……いえ」
「ありがとうございます、プロデューサーさん」
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