杉坂海「オンショアをつかまえて」
1- 20
67: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:33:32.93 ID:apvgBKJC0
「……ウチはさ。長女なんだけど、下に弟が沢山いてさ。いっつも面倒見てたんだよね」

「うん」

上手く言葉にできるかどうかは、自信が無い。
以下略 AAS



68: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:34:00.36 ID:apvgBKJC0
「ウチはウチで弟達の面倒見るのは嫌じゃなかったし、大変だけど楽しかったよ。でもその分、可愛い服着てる余裕とかなくてさ」

ウチの弟共はもうヤンチャな連中ばっかりで、日中は働いている両親に代わってウチがずっと面倒を見ていた。
だからその分、お洒落なんかしたことは無かったし、偶に服を買ってもらっても、動きやすいものを優先させていた。

以下略 AAS



69: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:34:40.67 ID:apvgBKJC0
今となっては、どんな番組かなんて詳しいことは覚えていない。
でもその光景だけは、改めて思い出そうとしてみれば、はっきりと思い出せた。

「司会の芸能人とか、出演者の歌手とかバンドとか、アイドルとか! みんな煌びやかな、綺麗な衣装を着ててさぁ……!」

以下略 AAS



70: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:35:07.98 ID:apvgBKJC0
いつもとはどこか違う、落ち着いた調子と、優しい目、それでいて真剣な目で、お兄さんがそう言う。
そんな眼差しが、なんだか意外だとそう思った瞬間、今自分がどんな状態なのかを思い出して、すっと現実に引き戻された。
……どうしよう、なんか調子に乗って夢とか話しちゃって急に恥ずかしくなってきた……!

「あ、あははは。なんかゴメンねっ! 急にこんな話してさっ!」
以下略 AAS



71: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:35:39.50 ID:apvgBKJC0
あいかわらず、お兄さんはそういうコトを言う。
でもなんとなく、今は恥ずかしがってるウチを気遣ってワザと言っているんだろうことがわかった。
うん、やっぱり、お兄さんって、けっこう気が利く人かもしれない。
……なんか悔しいから、絶対に口にはしないけど。

以下略 AAS



72: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:36:14.80 ID:apvgBKJC0
それは、ちょっと予想外の質問だった。今まで考えた事もなかった、という意味で。
でも、ある意味当然の質問だったのかもしれない。
確かに同年代の子でも、アイドルとか、女優とか、そういう人に憧れている子は多かった。
でもウチは、それよりもああいう衣装をどうやったら作れるかとか、そんなことばかり気にしていたと思う。
だから、その質問に答えるとしたら。
以下略 AAS



73: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:36:41.65 ID:apvgBKJC0
無言で頷いて、先を促すお兄さん。

「でも、こういう綺麗な、人を輝かせられる衣装を作りたいって思いの方が強かったかな」

「そっか」
以下略 AAS



74: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:37:09.73 ID:apvgBKJC0
と、その時だった。
昼ごはんを買いに行くついでにとってきていたのだろう、お兄さんのスマホが震えていた。

「と、ゴメン海ちゃん、ちょっと電話」

以下略 AAS



75: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:37:36.64 ID:apvgBKJC0

「ゴメン海ちゃん、仕事でトラブルみたい。急遽でなきゃいけなくなった」

「ん、そっか。もともと待ち合わせとかじゃなくて偶々会っただけだしさ、気にしないでよ」

以下略 AAS



76: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:38:02.26 ID:apvgBKJC0
「それじゃ、俺はこれで。またね!」

「うん。お兄さんも、仕事頑張って」

「ありがと。あ、それと海ちゃん」
以下略 AAS



117Res/64.08 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice