緒方智絵里「あなたと過ごす、特別で怠惰な一日」
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65:名無しNIPPER[saga]
2017/07/14(金) 14:54:36.90 ID:rHT/Celd0
彼は腕で額の汗を拭いつつ、まだ探し物を続けている。
「……お散歩とか……したい、な」
こんなに陽気の良い日だったら、Pと並んで散歩をして、色々な場所を辿ってみたい。まだ知らない場所を巡ってみたい。
その方がPへの負担も少なく、選べる選択肢は今よりも多くなる。
しかし、今の自分は自らの意思で動く事のできない人形。
例えそう願っても、ルールを捻じ曲げなければ叶わなかった。
「……どうしよう」
自分から言い出した我が儘。自分自身で選んだ道。
ここまでの人形としての生活。不便な事が多かったけれども、悪い事ばかりでは無い。
少なくとも、ここに至るまでは十分に満足して、幸せだった。
しかし、これ以上の幸せを求めるとなると、人形でいる事は彼女にとって足枷にしかならなかった。
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