33:名無しNIPPER[saga]
2017/07/10(月) 22:56:09.17 ID:otTlPJINo
「Pさんっ、もう一回だけ、手ちょっと出してもらえますかっ」
「えっ。お、おう」
ちょっとビクビクしながら私に向けられた手のひらに、
私はパーンッと自分の手を合わせます。
「はいっ! 今日も頑張りましょうっ! おまじないですっ」
手が触れるとなんだか元気が出るような気がして。
そう言うのはなんだか気恥ずかしくて、勢いに任せて、おまじないのせいにしました。
「あはははっ。まぁ、頑張るのは悠貴だけどな。」
そう言ったプロデューサーさんはさっと身体の向きを変えて、
学校の入り口に向かって歩きだしました。
まだ、私の手のひらには鈍い痛みと熱さが残っています。
不思議とイヤな感じじゃありません。やっぱり本当に勇気を貰えたみたいで嬉しくなります。
私は急いでプロデューサーさんを追いかけて。
春から夏に変わろうとする新緑の校門を、今度は2人でゆっくりと歩きながら、
手のひらに残った感覚を忘れないように、忘れないようにしようと思いました。
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