30:名無しNIPPER[saga]
2017/07/10(月) 22:53:40.42 ID:otTlPJINo
気がつくといい時間になっています。
いつの間に……最初は結構余裕があったはずなのに。
「あっ、急ぎましょう、Pさんっ。手っ! 出してくださいっ」
「え。は、はい」
差し出された手をぎゅっと掴むと、
私とプロデューサーさんは駆け出しました。
「ちょ、ちょっと。悠貴、走らなくても十分間に合うぞ!」
「えへへっ。聞こえませーんっ。Pさんはのんびり屋さんだからっ」
青々とした木々のアーケードを抜けて、撮影場所の学校を目指します。
きっとPさんの言うとおり時間に余裕はあるはず。
うんうん悩むのがイヤになってきて、とにかく身体を動かしたくて。
お芝居だって、恋だって、走ることみたいに、もっと分かりやすかったらいいのに。
それに、一緒に駆け抜けていくの、気持ちいいですよっ。
心の中でそう言います。
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