5:名無しNIPPER[saga]
2017/07/10(月) 22:23:40.26 ID:mur6i4dzO
どれくらいの間だろうか、あの部屋には行ってない。
俺だけじゃない、きっと咲も和も、優希も、染谷先輩だってそうだ。
あれから牌に触ってない。と言ったって、元々、俺は「触ってた」だけだったけど。
優希との帰り道、何度かこちらを覗き込むように見ていたことに気が付いた。
チラチラと、何か言いたげな目。早く、お前だって何かいう事あるだろ。
このままじゃだめだと思ってるんだろ―――――――
「…なぁ、京太郎」
「…」
「京太郎!」
「な、なんだよ」
気が付いたら、横にあった顔が俺の正面に滑り込んだ。
斜めによけようする俺の思考の半歩前で、両手でガッチリ頬を固定された。
ひやりとした両手が、彼女の真剣さを訴えかけている気がする。
「私、明日から部室に行く」
「ふぇ?」
「今言ったとおりだ、私は部室に行くじぇ!!!」
喋ろうとしたが、口が圧迫されて上手く話せない。
女の子にほっぺを触られるという嬉しいはずのシチュエーションから早く脱したかった。
「ほ、ほりあえずほのてをはなせ…」
「あ、ごめんごめん―――――」
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