【ミリマス】白石紬「あなたはエッチなのですか?」
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79: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2017/07/20(木) 20:28:10.15 ID:m7NIKWsF0
目の前の少女は至って真面目。
ある意味素直な紬の言葉に、男は優しく微笑みながらどうしたものかと頭を掻いた。
「俺もまだまだ分かっちゃないけど、一度は君も、自分と向き合ってみないとな」
「向き合う、ですか」
「そっ。さっきの千早たちの話みたいに、自分の弱点を見つけるって言うか」
紬が、顎に手をあて考え出す。
餌も無いのに足元に集まって来た鳩の群れをあしらいつつ、男が彼女の返事を待つ。
「……あの」
「なんだい?」
「私は……多分、人より頑固なところがあります」
「ふんふん」
「それから、意地っ張りで……心配性やし、ついついあれやこれや気になって」
「つまり紬は信念があって、根性もあって、責任感も強いリーダー気質と。
なんだ、センターやるのにうってつけだな!」
男の言葉に、紬が訴えるように眉をひそめた。
「またそんな、心にも無いこと……。言い方を変えただけですよね?」
「だからさ、これが売れない商品の売り方だよ。一人ひとりの抱える短所を、
逆にセールスポイントとして売り込むのがプロデュース業の醍醐味ってね」
「それでは、まるで詐欺です!」
「おっと、口が上手いと言って欲しいな」
そうして、二人は自然と笑い出した。
今度こそ本当に、心の底から出る笑い。
鳩の群れからの好奇の視線を受けながら、控えめにはにかむ紬が言う。
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