【ミリマス】白石紬「あなたはエッチなのですか?」
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49: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2017/07/17(月) 18:50:53.09 ID:JO0yp0iM0
「プロデューサー!?」
心無し、呼びかける声が上擦っていたのは自分の気のせいだと思いたかった。
反響するような蝉の声が、紬の思考の邪魔をする。
落ち着け、落ち着け白石紬。お前はできる子やれる子だ。
土地勘のないこんな場所に突然放りだされても、無様に狼狽えたりだけはしてはならぬ。
だがしかし、辺りを震える羊のように見渡すも、手掛かりの一つも見つからない。
動悸がする、めまいもする。
息を吸っても吐いても楽にはならず、
焦る紬の頭の中に、『迷子』の二文字が見え隠れ。
「……ひっく!」
不意に、世界が白んで見えた。おまけのおまけにしゃっくりまで。
暑さが原因ではない汗が、首にも背中にも流れ出す。
思わず片手を胸に当て、紬は「ど、どこ行ったん……?」と不安の言葉を口にしていた。
……心細さが急速に、胸を満たしていくのが分かる。
行く当ても無いのに足が勝手に動き出す。
子供や主婦に老人の姿は目に入るのに、肝心要のあの人は何処に?
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