【ミリマス】白石紬「あなたはエッチなのですか?」
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32: ◆Xz5sQ/W/66[sage saga]
2017/07/12(水) 18:40:40.89 ID:Z1FU2/eB0

 男が僅かに残っていたグラスの水を飲み干して、仕切り直すように紬を見た。

「その言い方だと、俺に叱られるとでも思ってたのか? ……どうして?」

 今度は相談を受けた先生が、生徒に話しかけるように。
 安心感を与えるような、優しく、ゆったりとした口調である。

 助平でも男はアイドル相手のプロデューサー。

 多感で繊細な乙女を相手に、常々磨いてきたそのコミュニケーション能力は――。

「どうしてだなんて。その理由を、一々説明しなくては分かりませんか?」

「できることならそう願うよ。俺は物分かりが悪いって評判でね」

「……バカにしてます?」

「まさかまさかっ!」

 ――その能力は、時に要らぬ誤解と怒りを相手に与える。

 紬がようやく顔を上げた。

 彼女の見せた表情は、呆れが二割、怒りが七割、そして一割弱の僅かな不安。

 どことなく緊張している彼女の様子を、貴音がチラリと横目で一瞥する。


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