【剣神】姫「疲れた、おんぶして」勇者「はいはい」
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108: ◆WslPJpzlnU[saga]
2017/07/11(火) 19:07:42.03 ID:JLN3zhnm0
夜空の下で崩れかけているラダトーム城を見下ろす巨竜。
巨竜は見下ろすように舞い上がり、王者の如き覇気で圧倒した。
━━━━ 【 燃え盛る我が火炎にて苦痛を覚える事無く、果てる事を光栄に思うが良い!! 】
─── ゴボォゥッ!! ギュゥウッ!! ゴォオオオッ!!──────
巨竜の喉から凄まじい爆炎が漏れ出る。
漏れ出た炎の揺らめきだけで日輪の光を思わせる程の輝きが、ラダトーム城内を照らした。
メイド「何……あれ……」
夜天を照らす紅蓮の輝きを見上げて、誰もが言葉を失った。
かつて、数百年以上前に世界を支配していた大魔王でも、これほどの破壊と絶望を予感させる光景を人々には見せなかった。
それ故に瓦礫から怪我人を助けようと奔走していた兵士達は、見た事も無い圧倒的な光景を前にして、何も出来ずに立ち尽くしているしかなかった。
このままでは、数秒もしないうちにラダトーム城がどうなるか。
勇者(絶対に……やらせない!!)
唯一、踏み込む力を見せたのは勇者ただ一人。
そして彼は、一度周りを見渡してから夜天を見上げた。
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