智絵里P「ちょっと恋愛相談に乗ってもらいたいんだけど」緒方智絵里「!?」
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13: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 22:06:21.61 ID:oFThaKWS0
 次に私達は、アイドル喫茶というアイドルを目指している女の子達が働いているお店に来ました。

 ステージの上では凛ちゃんや飛鳥ちゃんみたいなカッコイイアイドルで、すらっとした体をいっぱいに広げたダンスをしながら歌を歌っています。

「ごめんなさい、最後までちひろさんの趣味ってコスプレしか分からなくって」
以下略 AAS



14: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 22:40:21.61 ID:oFThaKWS0
 いろんな方に相談する中で、沢山のコスプレ衣装が常備されているお城のような場所のことを教えてくれた方がいました。

 そこで、カラオケだったり、ゲームだったりをする友人がいる、と。

 私だって、子供じゃないですから、そこがどういう場所か分かっているつもりですし、教えてくれた方がとても言いにくそうな顔をしていたことを考えても、きっとそれは間違いじゃないんだと思います。
以下略 AAS



15: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 22:42:01.76 ID:oFThaKWS0

 私はプロデューサーさんのアイドルで、だからそれで十分な筈なのに。
 私はプロデューサーさんのアイドルで、それだけでも十分に幸せなのに。


以下略 AAS



16: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 22:44:20.08 ID:oFThaKWS0
 「ああ、in factじゃないか」

 自分の気持ちに気付いて欲しい、こんなに好きなのにどうしても想いが伝えられないというテーマこそはよくあるアイドルソングだけど、それを流行のポップな曲調でごまかさずにどこまでもどこまでも素直に表現した名曲だよな、歌唱力がとことんまで問われてなぁ……と、プロデューサーさんは流れてきた知っている音楽に話題をそらしてくれました。

「あの娘のプロデューサーとは同期なんだけどさ、あいつ自分の担当アイドルがずっと歌っている間、異常に目が合うって悩んでてさ」
以下略 AAS



17: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 22:49:25.04 ID:oFThaKWS0
―――もっと、素直になれたら
―――仕舞い込んでしまうのは何故?

 あの女の子はきっと、ありすちゃんのような素敵な恋をしているのだと思います。

以下略 AAS



18: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 22:55:32.87 ID:oFThaKWS0
 「やっぱり!」「私もそう思ってた!」

という声と一緒に集まってきた、お店のスタッフの皆さんと握手をしながら、私との間に入ってその人たちの相手をしているプロデューサーさんを、まるで夢を見ているような不思議な気持ちでみていました。

だって、こんなにたくさんの人たちが、プロデューサーに魔法をかけてもらっているわけでもない私の所に集まってくれるだなんて、本当に初めてのことだったたから。
以下略 AAS



19: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 22:57:42.61 ID:oFThaKWS0
 「ところで、隣の方は彼氏さんですか?」

 たくさんの嬉しい言葉をかけてもらっている中の、その一つの質問がまるで、スローモーションのように私をゆっくりと震わせているのを感じました。

 「絶対に誰にも言わないんで、私たちにだけこっそりと教えてくださいよ」「もー、〇〇ったらだめだよー」「えー、でも気になるじゃない」
以下略 AAS



20: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 23:00:07.36 ID:oFThaKWS0
 ちょっと騒ぎになっちゃったから、ちひろさんに報告だけしてくると残して席を外して去って行くプロデューサーさんを尻目に、私は「せっかくの機会ですから♪」と言って誘ってくれた菜々ちゃんに連れられて、普段は見られないお店の裏側を案内してもらっていました。

「実はこのお店、もともとは菜々がアルバイトをしていたメイド喫茶なんですよ」

「菜々ちゃんがデビューしたのを追っかけてみんなメイド服着たままアイドル活動始めちゃったんだよね☆」
以下略 AAS



21: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 23:01:44.54 ID:oFThaKWS0
「でも、違うんです。だって、私なんかじゃプロデューサーさんと釣り合いませんから」
 
 だって、プロデューサーさんには好きな方がいらっしゃるんですからと、万が一にもプロデューサーさんのご迷惑にならないために絞り出した言葉を、また勝手にずきんと痛む胸が邪魔をします。

 「私はプロデューサーさんのアイドルですから」
以下略 AAS



22: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 23:09:38.94 ID:oFThaKWS0
 「ごめんな、智絵里。ちひろさんに帰ってこいって怒られちゃって」

 すこし疲れた顔で電話から戻ってきたプロデューサーさんは、菜々ちゃんとしゅがはさんに別れを告げてお店を出た先で、本当に悲しそうな顔をしてそう言いました。

 「智絵里がこの辺りにいるってことがSNSに流れちゃてるみたいでさ」
以下略 AAS



23: ◆E055cIpaPs
2017/07/05(水) 23:11:58.41 ID:oFThaKWS0
 菜々ちゃんが私にくれたのは、近くの商業施設にある観覧車の割引チケットでした。

 お店で配らないといけないノルマがまだ沢山あって、少しでも減らしたいからと、私に微笑みかけてくれたあの優しい笑顔が思い浮かびます。

 プロデューサーさんに無理を言って、無理やり一緒に来てもらった観覧車の中で、私は何も話せずに、あんなに何度も一緒に練習してできるようになったはずの笑顔を浮かべることも出来ずにいます。
以下略 AAS



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