劉備「ジャンヌ・ダルク助けるぞwww」サトシ「分かったぜ!」
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50: ◆vfNQkIbfW2[saga]
2017/07/13(木) 23:13:11.93 ID:D6IWTJA50
草木も眠る丑三つ時。
チューリップ咲き乱れる庭園の中央で、ひたすら地団太を踏む男の影があった。

魏延「クソッ……! クソクソッ……! チューリップのくせに、幸せそうに咲きやがって。クソ!」

彼の名は魏延、字は文長。元の主君である韓玄を斬り伏せ、劉備の荊州南四郡攻略の立役者となった人物だ。
本来ならば、関羽や張飛や趙雲までとはゆかずとも、その次くらいには重用されてよいはずである。
しかし、憎き諸葛亮めが『反骨の相あり』と劉備に進言したため、主君や周りの将から腫物に触るような対応をされている。
西への大遠征ということで、ようやく自分にも活躍の場が与えられるかと思いきや、主役は二十歳にも満たない異国の小娘。
魏延の腸は日々の鬱憤と嫉妬の炎で、地獄の釜のように煮えくり返っていた。

魏延「クソッ……! 益州の時だって、藤甲軍との戦の時だって、いつも冷や飯を喰らっているのは俺だ!」

???「そう。貴君は仕える主君を誤った」

魏延は素早く腰の剣を鞘走らせると、声のした方へ剣先を向けた。
常に戦場で命のやり取りをする武人にとって、この反応はもはや条件反射の領域である。
右斜め前、巨大なミナレットの陰に誰かが隠れている。

魏延「どこのスパイだか知らんが、俺を暗殺しようってなぁ良い度胸だ」

間諜「とりあえず、チューリップ畑から出給えよ。ここはサマルカンドで一、二を争う富豪の庭だ。いくら貴君でも斬首は免れない」

魏延「ケッ、好き勝手に言いやがってクソが。何をしに来た」

間諜「一日、尾行させてもらった。相当、周りに対して不平不満を抱いている様子。少し手助けをしてやろうと思ってね」

魏延「ふざけるな。誰が怪しいスパイの助けなど借りるか」

間諜「私は貴君が仕えるべき真の英雄を知っている」

魏延「……曹操だの孫権だの、ありきたりな名前を挙げるのではないだろうな」

間諜「名を知りたくば、ジャンヌ・ダルクの情報を携え明日の深夜、グーリ・アミール廟の前まで来い」

間諜は闇に溶け、踏み荒らされたチューリップの庭園と魏延だけが残された。

魏延「くだらねぇ。俺は一度、韓玄を裏切った。二度も謀反を起こすとなると、流石に腰が引けるぜ」

魏延「だが……クソッ。うまく考えがまとまらねぇ。畜生!」ゲシッゲシッ


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