1: ◆E1jyq2RFLo
2017/07/04(火) 02:23:54.45 ID:4c6PfZAY0
「さて、どうしたものか・・・」
音楽が鳴り止んでもイヤホンを耳から外すことが出来なかった私の口から、ため息と共に独り言が漏れた。
今朝、新人アイドルに歌わせるために、かねてから作曲家の先生にお願いしていた曲のデモテープが届いた。
彼女の初ライブに向けてぴったりのものを準備したいと、いくつかの注文を添えて馴染みの作曲家先生に
歌声を録音したカセットを添えて作曲を依頼したところ、向こうの琴線に触れたのか、
なんと歌詞とタイトル、応援メッセージまでついて返ってきた。
「彼女の歌声のイメージと、名前からアイディアをもらいました。収録楽しみにしています。」とのこと。
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2: ◆E1jyq2RFLo
2017/07/04(火) 02:26:45.29 ID:4c6PfZAY0
「ハミングバード」と名付けられたその曲は、スローなピアノの旋律から始まる。
そこからステップを踏むようにテンポが上がり、重ねられたストリングスの音が新しい朝を連れてくる。
そんなイントロに迎えられ、明日の輝きに夢を見る詩が始まる。
3: ◆E1jyq2RFLo
2017/07/04(火) 02:28:58.59 ID:4c6PfZAY0
ただ、だからこそ懸念があった。
あの子の歌唱力でこの曲を殺してしまわないだろうか。
4: ◆E1jyq2RFLo
2017/07/04(火) 02:30:22.70 ID:4c6PfZAY0
「さて、どうしたものか・・・」
まいった。本当にまいった。
5: ◆E1jyq2RFLo
2017/07/04(火) 02:34:26.93 ID:4c6PfZAY0
事務室で頭を抱えていると、普段劇場の舞台裏では聞かない男性の声がした。
「おぉ、居た居た。劇場は広くて迷ってしまいそうだ。」
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