5: ◆E1jyq2RFLo
2017/07/04(火) 02:34:26.93 ID:4c6PfZAY0
事務室で頭を抱えていると、普段劇場の舞台裏では聞かない男性の声がした。
「おぉ、居た居た。劇場は広くて迷ってしまいそうだ。」
「社長、おはようございます。こちらにいらっしゃるなんて珍しいですね。」
その手に厚みのある封筒をひらひらさせながら、社長が近づいてきた。
「いやいや、会長から私宛の荷物に君へのコレが同封されていてね。忙しいとは思うが、目は通しておいてくれ。」
「はい、もちろんです。わざわざお忙しいなか、ありがとうございます。」
「会長のことだ、何か面白いことを思いついたのだろう。君の活動のヒントくらいにはなるんじゃあないかと思うよ?」
「今難航しているので、そうだと助かるんですが・・・」
「はは、桜守君の件か。頑張ってくれたまえ。」
私に封筒を渡すと、他に用事があるらしく事務室から早々に出て行ってしまった。
わざわざ会社から劇場まで届けに来るなんて、いったい何が入っているのだろう。
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