6: ◆eF65jN7ybk[[saga]]
2017/07/02(日) 16:59:31.09 ID:fE64C4yw0
やっと絞り出した声は掠れていて、どれほど自分が動揺しているのか思い知らされる。エミリーは伏し目がちに答えた。
「私が、日本へ来たのは父の仕事があったからだということは最初にお伝えしていましたよね」
「あぁ、それは聞いている……」
「今回も同様です。父の仕事が日本で行う必要がなくなりましたので私は家族と共に祖国へ帰ることに。ですから、次回の舞台が最後になります。それが終了すれば私は翌日の昼、飛行機で祖国に帰ります」
「……荷物、とかはどうするんだ」
「もう既に引っ越しの手続きも終えて、荷物も殆ど送り終えました。社長さんにもお話はしてあります。もう、残っていることは仕掛け人さまへのご挨拶と最後の公演になります」
淡々と答えられて、悲しくなった。こんなにもショックを受けている自分と、答えるだけのエミリー。つい、語気が荒くなる。
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