12: ◆eF65jN7ybk[saga]
2017/07/02(日) 17:05:49.34 ID:fE64C4yw0
会いたい明日へと 迷わず行きましょう
♪〜
星梨花が手を差し出すと同時にライトが落ちた。暗闇から突如始まるその歌声と続くメロディライン。そしてスポットライトがばっちりエミリーにあたる。エミリーは顔を上げて客席を見る。形容しがたいその表情には人を惹きつける何かがあった。ペンライトを振ることも忘れて聞き入ってしまうような。
これはこんな曲だったか。何かが違う。違うのはエミリーの方か、聴き手の方か、あるいは両方か。
透き通って空に抜けるような爽やかなすっきりとして。どこまでも届いて、海を越えた遠くの国まで渡って人々を笑顔にする。
例えばそれは、空に虹がかかるように。星が夜空を切り裂く流星群のように。
瞳を、心を、奪われた。
感情を置き去りにしたまま曲は進んでいく。もう二番のサビ。間奏が始まる。あぁ、終わってしまう。
エミリーは間奏の間、何も話さなかった。感謝の言葉とか、自分の想いとか、話すことは尽きないはずだから何か言うものだと思っていた。ただエミリーは、真っ直ぐ客席を見つめる。柔らかい眼差しとその笑顔で、客席を見ていた。何を想って、何を感じているのだろう。
そして最後のサビへと移る。エミリーがステージで歌う最後の歌。最後の歌詞。
未来の欠片 集めて 憧れに咲く明日へと
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