【デレマス】「先輩プロデューサーが過労で倒れた」完結編
1- 20
72: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/07/28(金) 23:22:10.27 ID:23vyEUVD0
「一体何がどーなったら、そんなボロボロになれるんスか」

 茜を連れてプロデューサールームに戻った俺を見て、比奈が呆れたような声で言った。
 たしかに、もともとしわくちゃだったスーツで土手を転がったものだから、枯草がまとわりついて、俺は事故にでもあったかのような悲惨な姿になっている。

「でも、茜ちゃんが帰ってきてくれて、よかったです!」

 春菜が嬉しそうに言うと、裕美、ほたるも大きく頷いた。

「へへへ……ご迷惑とご心配をおかけしました」

 茜は恥ずかしそうに頭を掻くと、丁寧に礼をした。
 裕美とほたるが駆け寄り、茜に抱き着く。

「ま、一件落着、かな? あとは新曲のリリースだね。みんな、頑張って。応援してるよ」

 先輩が穏やかな顔で微笑んだ。

「はいっ!」

 俺たち六人は、そろって大きな声で返事をする。

----------

 翌週のための準備を終えた俺は、美城プロダクションのエントランスから外に出た。
 夕日がまぶしく差し込んできて、目を細める。

 ――と、プロダクションの前に、なにやら迷っているような表情の女性を見つけた。
 細身にショートヘアで、年のころは比奈よりすこし上だろうか。

「美城プロダクションになにかご用事ですか?」

 俺は女性に話しかける。

「あ、えっと……用事っていうか、ちょっと悩んでいることがあって」

「プロダクションにご用事なら、中に受付がありますが……」

「えっと、その……」

 そのまま、女性は口ごもって、視線を落とした。
 俺は困った。事情が見えないが、見ず知らずの人物にこのまま付き合い続けることもできない。

 どうしたものか――そのとき、俺の頭にひらめきが浮かんだ。

「なにか、お悩みですかね。もしお悩みのようなら、いいものがあります」

 俺はポケットからさいきっく・わらしべ人形を取り出す。手渡すと、女性は目を丸くした。

「……なんですか、これ?」

「悩みを解決してくれるという人形です。俺の悩みは解決してもらいましたから、あなたにお渡しします。もしあなたの悩みが解決したら、また次の誰かに渡してあげてください。では、申し訳ないですが、これで」

「あ、はい、あの、ありがとうございます」

 女性の返事を聞いて、俺はその場を後にする。
 女性は不思議そうに、さいきっく・わらしべ人形を見つめていた。
 願わくば、彼女の悩みが解決されますように。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
93Res/154.25 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice