【デレマス】「先輩プロデューサーが過労で倒れた」完結編
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38: ◆Z5wk4/jklI[saga]
2017/07/15(土) 00:27:52.75 ID:JPdS/Cks0
「おっ」

 俺は声を出していた。
 ほたるが、笑っていたように見えたからだ。
 そのとき、風だけが一瞬止まった。
 ほたるは目を開く。一瞬だけ視線を泳がせて、それでも決意を秘めた目をして、大きな声で空に向かって、空気を震わせて叫んだ。

「私、みなさんと一緒に、やりたいです! キラキラしたいです! やめたくない! 不幸でも、不幸かも、しれないですけど、それでも! みなさんといっしょにユニットをやりたい!」

 ほたるは叫びきり、茜たち四人はぱっと顔を輝かせた。
 その直後だった。
 雨は急に弱まり、空から逃げ去るように流れて行った雲のあいだから、太陽がのぞく。
 まぶしさに思わず目を細めたときには、雨は止んでいた。

「は……」

 俺の口から間抜けな声が漏れた。

「すごいっ! すごいですよ! 奇跡です!」茜が大きな声で叫び、跳ねる。「ほたるちゃんが起こした、奇跡です!」

「はいっ! こんな、こんなことって!」

 ほたるは信じられないといった顔をしている。
 五人は抱き合って、笑い泣いていた。

「ははは……」

 その光景を遠目に見ながら、つられて俺も笑う。
 たしかに、奇跡のような光景だった。

 もちろん、奇跡だって合理的な説明をつけることはできる。
 急激に進路を変え、加速した台風は、この会場近くをかすめて飛び去って行った。
 暴風雨は一時的なもので、もともと長く続くようなものではなかった。
 それだけの話ではある。

 だけど、こういう奇跡は、奇跡として素直に受け取るべきってもんだろう。
 ほたるが起こした、ほたるたちのための奇跡として。

「壁は崩れたか。雨降って地固まるってところかな」

 俺は喜びあっている五人を見ながらつぶやいた。
 ほたるの頬は、雨と涙とできらきら輝いていた。



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