6:1 ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 20:15:46.74 ID:OXNr9JoL0
この公園に立ち寄った日のことは、今でもよく覚えています。
中学生になってすぐ、まだ着慣れない制服で、真新しい鞄を膝の上に抱え、私は一人でベンチに座っていました。
一緒に部活を見に行こう、って言ってくれる新しくできた友達がいたんだけど、その日はちょっとそんな気分になれなくて。
学校からの帰り道、そのまま家に帰るのも何だかイヤで、ふと、公園に入ってみたのでした。
ベンチに座る私の手の中には、
『みんなで楽しく歌おう♪』
そんな、手作りの温かみを感じる、
『合唱部へようこそ♪』
一枚のチラシがあって。
歌が好き。
特にみんなを元気にするアイドルの歌。
でも私は歌が下手だから、歌っちゃいけないんだ。
合唱部、楽しそう。
チラシをくれた先輩、優しそうだったな。
でも私なんか、歌っても迷惑になっちゃう。
歌いたい。
歌いたくない。
でも、歌いたい。
でも、歌いたくない。
頭がごちゃごちゃとしていて、考えがまとまらなくて。
でも、でも、と「でも」ばかりがたくさん重なって。
そんな時でした。
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