13:1 ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 21:38:22.33 ID:OXNr9JoL0
最初は私だけだった秘密のコンサートも、少しずつ、本当に少しずつ聴きにくる人が増えていきます。
私と同じ年くらいの子はもちろん、スーツ姿のサラリーマンっぽい人、スーパーの買い物袋を持ったお母さんっぽい女の人、仲の良さそうなおじいちゃんおばあちゃんのご夫婦、色々な人が私と同じように週に一度の歌声を楽しみにしていたみたいです。
幸いというべきだったのかな、うるさくする人や、歌っている人に無理に話しかけようとするような人はいなくて、みんな穏やかにそれぞれの時間を過ごしていました。
元々、同じ歌声に惹かれた者同士です。
いつからか顔を見れば小さく挨拶を交わすようになって、会話はあまり無かったけれど、仲間意識みたいなものを私は感じていました。
年齢も立場もバラバラな人たちが、一人の歌でこうやって繋がっている。
それは、とても不思議な感覚で。
でも、とても素敵なことだったに違いありません。
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