12:1 ◆0NR3cF8wDM[saga]
2017/06/28(水) 21:34:09.31 ID:OXNr9JoL0
みんなには内緒の楽しみができました。
水曜は公園の歌の日!
奥の噴水近くのベンチに座って、届いてくる歌にゆっくり聴き入ります。
こんなに素敵な歌声、友達のみんなに教えてあげたいって気持ちもあったんだけど。
でも、大人数でおしかけて、歌っている人の邪魔をしちゃいけないなって思ったんです。
私自身、静かに聴いていたいって思ってたしね。
歌われる歌はその日によって違ったけど、女性歌手のバラード系がほとんどだったかな。
そんな中、私の一番のお気に入りは、初めての時に聴こえてきたあの歌でした。
他のものと違ってそれだけは聴いたことの無い曲だったから、もしかしてあの人の自作なのかな、ってどうしてか聴いてる私がドキドキしたりして。(自作ではないって、後で分かったんだけど)
週に一度開かれる秘密のコンサート。
とても美しく、力強く、でもちょっと寂しい歌声。
それは、普通の毎日の中で、私にとってのちょっとした「特別」でした。
私の座るベンチはいつも同じ。噴水のこっち側、初めての時からずっと一緒。
向こう側に回ればその人の歌をもっと近くで聴けるし、その人のことももっとちゃんと見れるんだけど、こういうの何ていうんだっけ、おそれおおい? そんな感じで、あまり近づくことはできませんでした。
だからなのかな、噴水が弱まる時、少しだけその人の姿が見える瞬間が大好きでした。
歌声をバックに、まるで映画のワンシーンを観てるみたい!
でも、そうやって私が見ていることがその人に分かっちゃったら恥ずかしいから、碌に読みもしない大きめの本で顔を隠して、横目でちらちらっとそちらを見るのが精一杯だったな。
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