69: ◆KzSA1DIYOY[saga]
2017/07/05(水) 21:48:39.77 ID:zx0IVnw2O
―― 渡り廊下脇 トイレ ――
電「……花子さん、この前はトイレで騒ぎ立てたりしてごめんなさい」
電「初めて花子さんに会った時、電は何もされていないのに怖がってしまったのです」
電「それが原因で騒ぎが大きくなって、花子さんは悪くないのに皆からも怖がられるようになって……」
電「電たちがこの鎮守府に来る前から……まだ私たちが艦だった頃から、ずっとこの場所にいたのに……」
電「後から来た電たちが、花子さんを悪者扱いしてしまって、本当にごめんなさい!」
電「……でも、もうあの戦争は終わりました」
電「私たちの力が及ばず、戦争には負けちゃったけど……今はあの時よりも平和な世の中になったのです」
電「深海棲艦という新しい敵はいますが、今度こそ電たちがこの国を、そしてそこに住む大勢の人たちを守ってみせるのです」
電「だから、もうゆっくり休んでください」
電「……きっとお姉ちゃんも、天国で花子さんのことを待っているのです」
―― 鎮守府内 放送室 ――
大淀「提督、ヒトフタマルマルになりました」
提督「よし……」ピッ ガガッ ザーーッ
提督『――総員、黙祷!』
阿武隈「…………」
青葉「…………」
大淀「…………」
艦娘一同『……………………』
電「…………」スッ
電「司令官にお願いして、鎮守府の皆で近くに咲いていた花を摘んできたのです」
電「“花子さん”だから、花が好きかなと思って……」
電「時代も、人も、建物も、花子さんが生きていた頃とは変わってしまったけれど……」
電「この花の姿は、きっと当時と変わらないはずです」
電「お姉ちゃんや友達と楽しく遊んでいた当時のことを思い出しながら、安らかに眠ってください」
――――――
――――
――
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