43:名無しNIPPER[saga]
2017/06/30(金) 15:40:07.84 ID:gULnGIksO
――想いをぶつけ合えたら、良かったのに。
食べ終わって、家の外に出た。
遠くの方で、お客さんかな、笑い声が聞こえた。
逃げるように、街灯を背にして、海へ向かう。
胸が重い。
深呼吸して潮の匂いを嗅いだ。
すると、だいぶラク。
「……ふんふん♪」
鼻歌交じりに砂浜へ。
どこまでいっても真っ暗な海。
失恋しても、みかんは美味しいし、プリンだって食べれる。
鼻歌だって歌えてしまう。
お姉ちゃんからはいつも通りいじられるし、
ぐるぐるぐるぐる悩んでいる。
「ふんふふ……♪」
失恋しても、梨子ちゃんの事は好きだ。
失恋しても、曜ちゃんは友だちだ。
それで、全部。
湿気た空気だ。
嫌らしくまとわりついてる。
だから、何をしたって憂鬱なんだ。
明日からもそうだと思う。
夜になると頬っぺたが痛くなるのかもしれない。
明日にならないと分からないけど。
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