9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/26(月) 19:29:34.07 ID:sKp9/69N0
スピード、ババ抜き、協力7並べ、ルール追加大富豪。
トランプの定番と言えるゲームをひとしきりやっていると、あることに気づいた。
薫の額に、汗が滲んでいる。
それに心なしかトランプも、少しふやけている。手汗のせいか。
「おい薫、やっぱ暑いんじゃないか。暖房とめるよ」
「ご、ごめんね、せんせー」
「いいって。俺は羽織ればいいだけだから」
「ありがとう……」
そういえば食いかけのチキンが隣の部屋にあるのを思い出した。
「なぁ、薫。腹減らないか?」
「……ちょっと、すいたかな」
「じゃあ飯にしよう。俺もちょうどさっきまで食おうとしてたところだったんだ」
「かおるも手伝っていい!?」
「おっ、じゃあ何かお願いしようかな」
「おにぎりー!」
「ははっ、クリスマスにおにぎりか。それもまた乙なもんだ」
「えへへ!」
俺たちはキッチンへ出向いた。
先にキッチンへ立っていく薫の座っていた座布団を見やると、それはじんわりと湿っていた。
やはり相当暑かったんだな。全身に汗までかいて、無理をさせてしまったようだ。
概して子供というのは体温が高い生き物だ。これくらい汗をかくのは当然だろう。
……まぁ、まかり間違ってもおもらしではないだろう。うん。流石に。
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