モバP「雪の頃のとんぼ返り」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/26(月) 19:24:15.61 ID:sKp9/69N0
その日、俺は家で一人クリスマスパーティの準備をしていた。
なんてことはない。一人暮らしのさみしい男がちょっとばかし豪勢に一人飯をするだけの話だ。
飾り付けも最低限。手のひらサイズのクリスマスツリーだけで十分。

前の職場──プロダクション──を辞めてからどれだけ経つだろうか。年数を数えるのも面倒だ。
なぜ辞めたのかもぼんやりとしていて覚えていない。
辞めてからというもの、それまでに貯めてきた貯金を少しずつ切り崩しながら生活して此処までやってきた。

再就職は目指したが、どれも向いてなさそうに思えてならず、結局断念してしまったのだった。
かといって抜きん出た特技なんかもあるはずも無くて、それを生かしたフリーランスの仕事なんぞそもそも話にならない。

ぐうたらとも言えず、かといって勤勉でもない毎日を、ただただ時間を無駄に空費して過ごす。
それが現在の俺だった。


でも、一人の来訪者が、長く続いたこの無意味な生活を破壊してくれた。


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