5: ◆tADl8swv.6[sage saga]
2017/06/26(月) 11:05:37.26 ID:EWHuDVZJ0
ドライヤーとアイロンを駆使してまゆの濡れた衣服を乾かしながら、頭を整理する。
なお、流石に替えの下着類はビニール袋に入れて用意していたようなのでそこまで変態じみた絵面にはなっていない。お父さんの気持ちになるですよ。
先刻運命的に出逢ったという表現をしたが、正にその通りとしか言えない。今日は……まゆと初めて出逢った日ではなかった。
無論、初めて出逢った日のことを邪険に扱っているわけではない。両者は切って離すことなどできない関係にある。
───1度見たら忘れないであろう、その瞳。生きることに何の意味も見出だせていないような、希望を宿していなかった病んだ眼。仕事中に偶然その少女を見つけた時のことを。
残念ながら、自分は鮮明に覚えてはいなかった。記憶の片隅に追いやっていて、彼女と再び会うまで思い出せなかった。
それに、自己紹介をしてもらった後も……記憶にあった少女とはかなり違って見えたのも、違和感を覚えた一つの要因かもしれない。
再び会った時、少女の目は闇を内包したままだった。……だが、決定的に"色"が違った。
ぽっかり空いた……虚色は、とても強烈な色に染められていた。
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