11:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:40:56.66 ID:mht4CVJf0
「もうこんな時間!?」
「杏奈、二、三時間も寝てたんだ…………」
私の思っていた数倍は時針が回っていたようで、よく見たら窓の外は夜の帳が下りてきていました。
門限もあるし、早く帰らないと!
12:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:41:22.46 ID:mht4CVJf0
「百合子さん……。さっき、杏奈に顔を近づけて、何してたの…………?」
「え、えぇ!?」
まさかの追求。
杏奈ちゃん、寝ぼけてて誤魔化せるかな、と軽く見ていたけれどまったくの検討違いのよう。
13:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:41:52.05 ID:mht4CVJf0
ど直球の言葉が私の胸に突き刺さる。
す、好き。杏奈ちゃんのことを? 好きの定義によるよね。親愛的な意味だったら大好きだけど、恋愛的に好きかは別だし。
ただ一緒にゲームしたり、匂いを嗅いだり、触ったりしたいだけ――――いや、
そうだ。これはもう恋でしかない。
14:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:42:29.41 ID:mht4CVJf0
「杏奈も、好き……。百合子さんも、だからじっと見てたんだよね…………?」
「あ、えっと」
言わなきゃ。見ていたのはパーカーじゃなくて杏奈ちゃんだって。
だけど、振り絞った度胸が空振りした今の私にはそれは荷が重く……。
15:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:43:00.46 ID:mht4CVJf0
「……うん! いいね、行こうよ杏奈ちゃん!」
そう言うと杏奈ちゃんは嬉しそうに笑顔を晒してくれた。
お買い物、二人でお買い物。つまり、
16:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:43:27.36 ID:mht4CVJf0
「あっ、こっちこっち。杏奈ちゃん!」
「おはよう、百合子さん……。おまたせ…………」
紫陽花色のルーズなワンピースに身を包む天女――――杏奈ちゃんがぱたぱたとこちらへ駆けてくる。可愛い。
今日は待ちに待った土曜日。天気はちょっとイマイチだけど問題ないよね。
17:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:43:53.45 ID:mht4CVJf0
普通に考えればあのパーカーが売ってるお店だけど、それだとすぐにこので、デートが終わっちゃう。
私としてはもっと長引かせたいところ。
そんな風に思っていると、 杏奈ちゃんの視線がある広告に集まっているのを見つけた。
何見てるんだろう。と、視線を追うと、
18:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:44:33.17 ID:mht4CVJf0
「売り切れてる――――!?」
「うん……。結構、人気のやつだから…………」
なんということでしょう。急いで店に向かうも、目の前で最後の一つを掠め取られてしまう惨事に。
そんな……、
19:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:45:00.20 ID:mht4CVJf0
「もっと言えば……杏奈がもう少し早く此処に来てれば……」
「それを言うなら、私が先にゲーム屋行くなんて言わなければ……」
気まずい沈黙が私たちの間に生まれてしまう。杏奈ちゃんを責めようなんて全然思わないのに、本人からしたらこういうの気にしちゃうよね。
どうにかしないと、と周りを見渡す。すると、
20:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:45:28.15 ID:mht4CVJf0
「完全にお揃いってわけにはいかなくなっちゃったけど。…………どうかな、このルームウェア」
私が身に纏うのは薄い黄色に、同じく淡い青色のラインの入ったパーカー。
そして頭部には杏奈ちゃんとお揃いで、うさ耳が付いている。
うん、こっちの方がしっくりくるよ。
21:名無しNIPPER[sage]
2017/06/25(日) 22:46:14.41 ID:mht4CVJf0
「ひゃあああああああああ」
「ゆ、百合子さん……! あそこで一旦雨宿りしよ…………!」
杏奈ちゃんが指差す方向に私もついていくことに。目的地は喫茶店。とりあえず屋根のあるところへ、という感じ。
自動ドアの中へ飛び込んでいく。鼻をくすぐるコーヒーの香りが落ち着かせてくれた。
41Res/27.13 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20