19: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/06/22(木) 21:47:05.29 ID:8OABDCgr0
「ごちそうさまでした」
「お粗末様でした」
食事を用意してもらったし、自分がやると彼は言った。そしていま、彼が皿を洗っているのを私は眺めている。
…なんかこういうのも、夫婦っぽいな。
洗い物を済ませた彼は、ソファーに座っている私の隣に座った。私は彼の腕に抱きつく。
「…どこか行かない?」
「…そうですね」
今日は二人ともオフ。車はプロデューサーのがあるし、どこかへ二人だけで行きたい。
「その前に、俺は着替えたいです」
プロデューサーは、昨日と同じスーツにワイシャツだった。確かにデートでスーツは嫌だ。
「あ、じゃあさ、Pの家に行く?」
おうちデート、ってヤツだ。前から彼の家には行ってみたかったし。
「…来ます?」
「当たり前だろ☆」
「…最低限の変装はしてくださいね」
「分かってるって」
着替えて、帽子と伊達メガネを身につける。
「じゃ、行きましょうか」
「うん」
玄関から出て、すぐに彼の手を握る。普通につなぐんじゃなくて、恋人つなぎで。階段を、一歩一歩下りて駐車場へ。
昨日とは違って、私は助手席に乗り込む。
「途中寄りたいところとかありますか?」
「DVD借りたい!」
「なら、そこ寄ってからということで」
彼が車を発進させる。
助手席から見える街の景色は、いつもと違った。
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