5:名無しNIPPER
2017/06/22(木) 00:52:24.28 ID:ypqxdl+p0
「リーナちゃんが逝ってから、もう10年になる。
月日が経つのは早いよね。
こうしてお墓参りをするのも、
今回で最後だと思うの。
そろそろ……みくもそっちへ行くね。
自分の死期が近い事は分かるんだ。
リーナちゃん。向こうで待っていてね」
そう言ってから、みくは墓石から離れた。
墓石を背にした時、微風が吹いた……
「みくちゃん! 待っているからね!」
みくは、振り返って墓石を見たが、
そこには誰もいなかった。
しかし、みくは、確かに声を聴いた……
懐かしいリーナの声を!
間違いなく聴いたのだ。
「うん、分かった」
みくは呟いた。
そして、石畳の上を歩き、車へと戻って行く。
墓地は夏の日ざかりの日を浴びてしんとしている。
―完―
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