【ミリマス】ザ・ミリオンオールスターズ! 〜銀河の果てまで届けちゃいM@S〜
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94: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/06/27(火) 19:22:30.13 ID:c8riKZqL0

「退きなさい、これはお願いでは無く命令だ」

 だが、彼女の隣に立つ奈緒は違った。
 逆に一歩、春香との距離を縮めると。

「一つ、条件がある」

「……なにかしら?」

「アオノリを、返して欲しい。その子は私にとって親友……いや、家族と同じぐらい大切なんです」

 何をバカなことを! そう桃子は叫びたかった。

 いつ爆発するか分かったものではない敵の爆弾を、自ら受け取りに行くだなんて! 

 ……しかし、できない。

 真っ直ぐに睨みつけるでもなく、
 懇願の表情を浮かべる奈緒の横顔を見て悟る。

 桃子もまた"家族"の大切さ、かけがえのなさを知っていたからだ。

 もう二度と会えないと思っていた存在に、どんな理由であれ再びめぐり逢う。
 もう二度と離したくないと、そう思うのは人のサガ。


「……いいわ。正し、先にそちらの兵を下げてちょうだい」

 奈緒の提案を、春香は呆気なく受け入れた。

 途端、金縛りにあっていたような桃子の体がふっと軽くなる。

 彼女が未だ震える腕を横に振ると、
 待機していた鎧武者たちが波が引くように消えていく。

 そうして辺りから敵の気配が無くなると、春香がアオノリに命令した。

「行きなさい」

 かちゃり、その機械で出来た頭で振り返り、
 アオノリが「エエノン?」とでも言いたげに首を傾げる。

「ええ、構わない」

 春香が言うと、アオノリは奈緒に向かって駆けだした。

「アオノリぃ〜っ! ホントのホンマに会いたかった〜!」

 抱き上げたロボット犬の頭を撫でて、奈緒が嬉し涙を一筋流す。

 ……もはや戦いを続ける気も削がれた桃子が「帰る」と一言呟くと、周囲の木々がざわめいた。

 咄嗟に身構えるひなたに向けて、桃子が言う。


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