91:名無しNIPPER[saga]
2017/06/20(火) 02:10:36.24 ID:smyUCZOA0
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結局、私たちは静かなままだった。
果南ちゃんも口を出したのは1回きりだった。
バス停に着いた頃、ふと気づくと曜ちゃんが私をじっと見つめていた。
千歌「……曜ちゃん?」
曜「1つだけだよ」
曜「私が言いたいのは、1つだけ」
曜「千歌ちゃん、帰ってきてよ。一緒に泳ぎたいんだ。一緒にいたいよ。これまでみたいに」
千歌「……っ」
不意にぶつけられたまっすぐな言葉に、息を継げなくなる。
返せない、返せないよ。
一緒に泳いだ記憶すらない私には、その言葉に何も返せない。
千歌「わ、たしも、一緒には、いたいけど……」
曜「じゃあさ千歌ちゃん」
曜「スクールアイドル、やめる?」
果南ちゃんがはっと息を呑んだ。
千歌「……やめないよ」
曜「……だよね」
それだけ小さく呟くと、曜ちゃんは到着したバスのステップに足をかけた。
曜「バイバイ千歌ちゃん。また明日」
ぷしゅっと音を立てて、バスの扉が閉まった。
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