65:名無しNIPPER[saga]
2017/06/20(火) 01:50:34.90 ID:smyUCZOA0
◇―――――◇
目の前に、教室があった。
私は声も出せず、体も動かず、ただ意識だけが漂っていた。
ぼんやりと窓から明かりが差し、教室が仄かに赤く色づいている。
梨子ちゃんが静かな瞳で鉛筆を走らせる。
曜「ねえ梨子ちゃん、できたー?」
梨子「んー、もうちょっと……」
梨子「よし、できたよ」
トントンと梨子ちゃんが机を指で叩く。
なんだか、見覚えのある光景だった。
けれど、いつ見たのかはどうしても思い出せなかった。
いったい、いつ―――…。
『……』
薄い紙を手でさっと払うと、梨子ちゃんが顔を上げた。
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