54:名無しNIPPER[saga]
2017/06/20(火) 01:43:36.95 ID:smyUCZOA0
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4月14日。
コンクール会場は、格式ばった姿をした人ばかりで、少し気後れしてしまいそうだった。
梨子「あ、千歌ちゃん、こっちこっち」
声のする方を見ると、梨子ちゃんが桜色のドレスに身を包んで手を振っていた。
隣には梨子ちゃんのお母さんが静かに佇んでいる。
千歌「梨子ちゃん! ……すっごく、綺麗」
梨子「え、ええ……? て、照れちゃうな」
満更でもなさそうにそう言うと、梨子ちゃんは私の手を取った。
戸惑いながらも手を引かれて歩く。
千歌「梨子ちゃん?」
梨子「ね、千歌ちゃん。来てくれて、ありがとう」
千歌「え、う、うん……」
ぎゅっと梨子ちゃんの手に力が入る。
少し汗ばんでいるようだった。
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