5:名無しNIPPER[saga]
2017/06/20(火) 01:08:47.31 ID:smyUCZOA0
ドンドンと太鼓の重い音がした。
船の先頭で、提灯を掲げて目を閉じる。
千歌「……」
私は梨子ちゃんの言葉を胸の中で反芻していた。
Aqoursの皆の顔を想うたびに、妙な気分になった。
くすぐったいような、縮み込むような、浮いていくような、沈んでいくような。
嬉しいような、恥ずかしいような、そして、不安なような。
そうだ、私はこの時、不安だった。
太鼓が鳴り続けている。
数拍、心で数えた後に目を開ける。
「「「あっちから こっちから よっといで――――」」」
ギイギイ揺れる船の上、控えめに袖を振る。
ぽつりぽつりと、海がランタンの光で埋まっていった。
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