30:名無しNIPPER[saga]
2017/06/20(火) 01:26:08.57 ID:smyUCZOA0
あの声は、何だったのだろう。
いつも聞いている声だった。
千歌「私の声、だったような……」
励ますような、叱りつけるような、慰めるような、突き放すような。
甘さと苦さの入り混じった夢が、とくとくと胸で脈打っている。
千歌「もう一度、走り出して」
また、夢の言葉を繰り返す。
走り出す――どこに?
諦めない――何を?
机の上には破れたノートがあった。
携帯のカレンダーは、相変わらず4月8日を表示していた。
ああ、私はこの日から走り出したんだ。
曜ちゃんと学校に行って、梨子ちゃんに出会ったこの日から。
「もう一度」
そういうことなのだろうか。
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