294:名無しNIPPER[saga]
2017/06/20(火) 04:46:49.41 ID:smyUCZOA0
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8月8日、夜。
私はまた、海を眺めていた。
細い月が夜空をぼんやりと照らしている。
ぽつりぽつりと瞬く星が、海の黒いうねりに呑み込まれる。
もわりとした風が吹く。
潮の香が漂ってくる。
千歌「……」
明日からは、忘れよう。
だって、予備予選があるんだ。
それが上手く行ったら、盆踊りだって、地方予選だって。
何も、変わらない。私の記憶と、何も変わらない。
Aqoursは9人。
皆が私を助けてくれる。
誕生日会だって開いてくれる。
これ以上、何があるんだろう。これ以上、何を望むんだろう。
曜「……千歌ちゃん」
ざざっと、砂を踏む音がした。
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