232:名無しNIPPER[saga]
2017/06/20(火) 03:53:20.38 ID:smyUCZOA0
花丸「ごめんね、善子ちゃん。マル、ただお礼が言いたくて。こんなに大事な思い出なんだよって、言いたくて」
花丸「小説だって、そのためだったんだ。気づいてほしくて、思い出してほしくて、マルを見てほしくて。それで、仲良くなりたくて」
善子「私、普通の高校生よ。何の特技もなくって、何の特徴もない、ただの善子。それでも……?」
花丸「……うん。マルが仲良くなりたいのは、善子ちゃんずら」
善子「花丸は、昔の私じゃないとダメなんだと思ってた。夢だって見たわ。黒い服を着て、蝋燭なんか振り回してる、変な夢」
善子「私も、そうならなきゃダメなのかと思ってた。なれなくて、つらかった」
ゆっくりと花丸ちゃんが振り向いた。
善子「ごめん、あんなこと言うつもりじゃなかった。ただ、私を見てほしかった。今の私でも、もう一度仲良くなれたらそれでいいって……」
花丸「善子ちゃん……」
花丸「ふふっ、マルたち、ちゃんと話してなかっただけみたい。お互い、勝手に想像し合って、すれ違って」
善子「……そうね」
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